こんにちは、しがなです!!
私は現在、脳や生体の機能イメージング技術を用いた医工学の研究を行う研究室に所属しています。
脳活動というと、興味はあるけど取っつきにくそうだから遠ざけてしまう人も多いと思いますが、実は結構取っつきやすいです!
今回は、脳活動測定の方法や装置について研究室で得た知識を元に、専門ではない人でも分かりやすいように解説していきたいと思います!
ちなみに、脳活動ではないですが私の研究については以前記事としてまとめてあるので良かったら見てください(_ _)
脳活動を測定する方法・装置
単純に脳活動を計測すると言っても、その方法は1つではありません。
脳活動の計測についていくつか例を挙げると、
・EEG(脳波)
・NIRS(近赤外分光分析法)
・EMG(脳磁図)
・PET(ポジトロン断層法)
・MRI(核磁気共鳴画像法)
などがあります。
これだけでも脳活動を測定するのに様々な手段があることが分かりますね!
今回は、以上の5つの測定法について簡単に説明していきたいと思います。
EEG(脳波)
EEG(脳波)というのは、頭皮上に置いた電極から脳の電気活動を記録したものです。
人間が物事を考えたり、動作を行うときに脳から微弱な電流が発生するということは聞いたことある人も多いのではないでしょうか?
脳波による測定は、簡便であり非侵襲的(体を傷つけない)であり、その人の考えや受けている刺激を調べるのに役立ちます。
NIRS(近赤外分光分析法)
NIRSは、近赤外光を頭皮上から照射することで酸素と結びついているヘモグロビンと結びついていないヘモグロビンの吸光度の違いからそれらの変化量を計測する手法です。
専門ではない人からするとこれだけでは理解しづらいと思うので付け加えて説明すると、
血液成分であるヘモグロビンは近赤外光を吸収しますが、その光の吸収度合いは酸素が結びついているかいないかで変わってきます。
また、脳のよく活動している部分ではヘモグロビンと酸素の結びつきが多くなるので、その変化によって脳活動を計測しています。
NIRSの特徴としては、簡便で非侵襲的かつ体の動きがある程度許容されるのが利点です。
MEG(脳磁図)
EEGは、電流が作る電位を測定しているのに対し、MEG(脳磁図)は電流によって生じる磁界を計測したものになります。
なので、EEGとMEGは本質的には同じものを測定していることになりますね!(利用の用途は異なる)
MEGは、被験者が全く動けないというデメリットはありますが非侵襲的で、脳外科手術時に病変の位置を特定するのに役立ちます。
PET(ポジトロン断層法)
PETは、脳におけるブドウ糖や酸素の消費量を測定することで生体の機能観察に特化した検査法になります。
PETのデメリットとしては、大がかりな装置を使うので非簡便で、静脈からRI(放射性同位元素)を注入するので侵襲的な点です。
しかしPETによる検査では、脳卒中や脳腫瘍、てんかん、認知症などの病気を正確に診断できるので、病気の早期発見や治療に役立ちます。
MRI(核磁気共鳴画像法)
MRIは、ほとんどの人が聞いたことがあると思います。
MRIは、身体に電磁波を照射することによって細胞に含まれている水分を共鳴させることで、その信号から脳の断面画像を得る手法になります。
MRIのデメリットとしては、皆さんもご存じであるように大がかりな装置を使い、動いてはいけないという点です。
しかし、MRIによって、脳卒中などの病気の早期発見に役立ちます。
おわりに
脳活動計測について、分かってもらえたでしょうか?
脳に関する学習はやってみると非常に面白いですが、難しそうな印象があるのか専門でない人からすると敬遠されがちです。
この記事を見て少しでも、脳の分野に興味を持っていただけるとうれしい限りです。
以上、脳機能測定装置の紹介でした!
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